春の彼岸法要ご報告

温暖化のせいか、すっかり3月中に桜が満開になることに慣れてしまいましたが、今年は入学式に満開の桜を見られそうですね。

さて、3月23日に春の彼岸法要をおつとめいたしました。天候が定まらない時期でしたが、なんとか雨に降られずにホッと一安心。34名のお参りをいただきました。

今回は、健康講話と題して、ゲスト講師に東京都健康長寿医療センターの研究員であり、歯科医でもある枝広あや子先生をお迎えいたしました。ユーモアを交えながら、さらには仏教的要素も取り入れていただき、分かりやすく口腔機能についてお話いただきました。「講談師や落語家のようですね」という感想を複数の方からうかがいましたが、本当に流れるような名調子。今後も機会があれば、ご講義をお願いしたいと思います。

また、これまでは軽食としてカツサンドをお持ち帰りいただいていましたが、多磨駅の近くに開店した「ゴハンとオカズ。ときどき」というお店の店長さんとご縁ができたので、そちらにオニギリをお願いしてみました。8種類のオニギリをご用意し、お参りのみなさまには、2個ずつ選んでいただくという趣向。羽釜で炊いたご飯は美味でした。施餓鬼法要でもご用意する予定ですので、お楽しみに。

なお、施餓鬼法要は7月7日(日)を予定しています。講話ではなく、ちょっと素敵なミニコンサートを企画中。あらためてご案内いたします。

これから春本番となりますが、まだ昼夜の寒暖差がございます。くれぐれもご自愛ください。

春彼岸法要

恒例の春彼岸の法要は3月23日におつとめいたします。

13時から健康講話、14時から法要となります。

今回、講話をしてくださる先生は、枝広あや子さん。
東京都健康長寿医療センター研究所の歯科医師研究員、老年歯科認定医。浄土宗総合研究所や大正大学と共同で「読経で健康プロジェクト」を推進中。私はその過程で仲良くさせていただいております。

講話のテーマは「健やかなお口で幸せな食生活を!~いつまでも美味しく楽しく~」です。

お念仏が健康に良いというお話も聞けそうです。是非お楽しみに。

思わぬ効能

寺報『信友』233号の巻頭「思わぬ効能」を転載いたします。
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1月1日に発生した能登半島の地震・津波は、正月気分を一気に吹き飛ばしました。信友のみなさんのなかにも、能登に親戚や友人がいらっしゃる方もおられるでしょう。心よりお見舞いを申し上げます。

震災のニュースに触れると、どうしても2011年の東日本大震災を思い出してしまいます。テレビや携帯電話から地震のアラームが鳴るやいなや、瞬時にして、あの時に戻されるような感覚。みなさんもおありではないでしょうか。それだけ私たちの心に深い痛みとして残っているのでしょう。

当時は連日のように死者が何名、行方不明が何名といったニュースが流れ、テレビ画面には嘆き悲しむ被災者が映し出されていました。そして、被災者のほとんどは、近しい誰かを亡くした遺族でもありました。

大震災の発生から少し経った頃、ある女性のお話をうかがう機会がありました。その方は、若い頃にご両親を自死で失うという悲痛な経験をされ、今は同じような経験をされた人たちを支える活動をしています。

テレビもラジオも新聞も震災報道一色だった頃、どう過ごしていたのかという話になりました。地震・津波でたくさんの人が亡くなったという報道は、被災地から遠く離れた場所にいても、遺族には無関係ではなく、胸がかき乱されるもの。自分が家族を亡くした時の記憶がよみがえったり、蓋をしていた感情が爆発しそうになったり……。

「ニュースは一切見れませんでした。でも、テレビやラジオをつけないと、孤独に押しつぶされそうになる。被害はだいたい分かっているから、ニュースを見なくても、いろいろ考えてしまって、落ち込んでしまうし……。」

では、どうやって乗り切ったのかと聞くと、こんな答えが待っていました。

「通販チャンネルってあるでしょう。24時間、365日、生放送で通販をしているところ。あれをずっとつけていたんです。震災のニュースはやらないし、暗い社会と無縁の世界。生放送だから、なんとなく同じ時間を過ごしている気分で、孤独感も和らぎました。」

全く想定外の答えに、目からうろこ。苦しさのなかで、もがき、たどり着いた逃げ道が、通販チャンネルだったのです。

たしかに、よく見ていると、通販チャンネルの人たちは、いつも明るく、前向きなことしか言いません。「赤のMサイズ、売りきれました!」とライブ感が伝わり、今、同じ時間を生きているんだ、自分は一人ぼっちじゃないんだと思わせてくます。

それ以来、私も孤独を感じたり、気持ちが上向かなかったりしたとき、通販チャンネルをボーッと眺めます。どんな夜中でもいつも笑顔で、フライパンで肉を焼いたり、スカートを履いたり、楽しそうです。(何も買ったことはありませんが)

これって、実はとても大事なことなのです。自分の心を知り、ダメだと感じた時にはしっかり守るということ。震災報道に疲れてしまった時に限りません。寂しさやしんどさにおそわれたら、だまされたと思って、通販チャンネルをつけてみてくださいね。

怨みをすててこそ

寺報『信友』232号の巻頭「怨みをすててこそ」を転載いたします。
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今年も残りわずかとなりました。

一昨年の年末の信友には、「世界全体では、楽より苦が多かったように感じます。来年は苦よりも楽が多い一年になりますように」と書き、昨年の年末には、「去年より今年の方が『楽より苦』が多かったのではないでしょうか。来年こそは、笑顔あふれる一年になりますように」と書いていました。

さて、今年一年を振り返るとどうでしょう?

コロナはある程度おさまり、日常が戻ってきました。虎党の私としては、阪神タイガースの優勝に心躍らせたのですが、社会全体、世界全体を見ると、やはり今年もなんだかどんよりとした一年だったように感じます。

特に戦争の報道は胸がふさがれますね。ロシア・ウクライナだけでなく、今年はイスラエルとパレスチナ(ハマス)との戦闘が起こりました。私自身、ここ数年で母の看取りや子どもの誕生を経験したばかりなので、病院で患者や新生児が犠牲になるニュースは胸が張り裂けるようです。

亡くなられた人だけでなく、懸命に看病していた家族、赤ちゃんをお腹の中で大事に大事に育ててきたお母さん……、みんな、どんな思いでいるのでしょう。もし私が同じ立場なら、狂ってしまった方がどんなに楽かと思うかもしれません。かたき討ちをせずにはいられないと銃を取るかもしれません。

そんなことを考えるとき、お釈迦様の言葉が浮かんできます。

実にこの世においては、
怨みに報いるに怨みを以てしたならば、
ついに怨
みの息(や)むことがない。
みをすててこそ息む。
れは永遠の真理である。
(『ダンマ・パダ』より)

怨みへの報復は、さらに怨みを生み出し、そのサイクルは止まることはない。怨みを捨ててこそ、怨みの連鎖は終わるのだと説かれています。世界の紛争だけでなく、私たちの身の回りをみても、その通りだと思う言葉ですね。

お釈迦様がこの言葉を残して2500年が経っていますが、悲しいことに、世界中で怨みはやんでいません。人間は怨みを簡単には捨てられないのだということを分かったうえで、お釈迦様は諭されたのでしょう。やはり、私ももしそんな目にあったなら、怨みを捨てられるのかどうか、はなはだ自信がありません。

実は、浄土宗の開祖・法然上人は、幼少期に押領使(地方行政職)だった父親を敵対する豪族に殺害されています。父親は臨終の間際に、かたき討ちはせず仏門に入って父の菩提を弔うようにと我が子(法然上人)に言い残したと伝えられます。

法然上人が残した浄土の教えとは、この世は苦しみに満ちているけれど、阿弥陀様の極楽浄土は苦しみも怨みも悲しみも一切ない世界。どんなに弱い愚かな人間でも阿弥陀様に救われて、極楽浄土に往けるというもの。

法然上人の生い立ちを考えると、浄土宗の教えは、法然上人が抱えていた怨み、人間の弱さを直視し、血がにじむような修行の末に出会われた法然上人ご自身の救いだったのではないかと思えてきます。

もちろん、極楽浄土があるからこの世で怨みを捨てなくても良いというわけではありません。少しでもこの世界で怨みの連鎖が断ち切られますよう、私自身も自戒したいと思います。

来年こそは苦よりも楽が多くなりますよう、心から願います。

シンポジウムご報告

みなさまにご案内した11月11日の府中でのシンポジウム『大切な人を亡くして、生きていくということ~グリーフケアで、つながるまちへ~』、無事に終えることができました。

府中市の担当者もこのテーマで人が集まるのかなと懐疑的だったそうですが、ふたを開けたら250人定員のところ、200人以上の申し込みがあり、当日も写真のようにほぼ満席でした。

府中市だけで年間に2千人以上の方がお亡くなりになられているので、関心をお持ちの方も多かったのでしょう。

市長も最後まで参加していましたし、府中市が遺族にやさしい町になる一歩になったのではと思います。

ご来場いただいた檀信徒のみなさまも、お忙しいなか、ありがとうございました。

お寺でヨガ

実はちょっと前から月に1回、お寺でヨガをやっております。
(といっても、蓮宝寺が主催ではなく、会場を提供しているという形です)

ヨガインストラクターの村瀬松子さんが講師となって、毎回少人数で和気あいあいと楽しくヨガをされています。

毎月どこかの水曜日の10時半から11時半に開催しています。
日程確認・お申し込みは公式LINEもしくはastau358アットマークgmail.comからとなっております。
お近くの方はご参加されてみてはいかがでしょうか。

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