ライフエンディング研究会・小平霊園ツアー報告

5月27日、ライフエンディング研究会で小平霊園ツアーをおこないました。
真夏のようなひざしのなか、15時に小平霊園管理事務所前に集合。参加者は遅れてこられた方を含め9名でした。ガイドは近藤石材店の渡邉さんにお願いしました。IMG_2016
まずは、合葬墓を見学。こちらは1号墓・2号墓が並んでいます。
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向かって左の1号墓は平成10年、右の2号墓は平成20年にできたようです。都内に3年以上継続して居住している人が申し込めます。
毎年10月1日(都民の日)には献花式をおこなっているのですね。
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1号墓の献花台です。1号墓・2号墓をひとつの屋根がつなぐようになっています。
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こちらに納骨する際には、献花台の上に骨壺や位牌を安置して、読経等を行ない、実際に納骨施設のなかには職員のみが入ります。合葬墓の裏手にその入口が見えます。こちらから職員が地下に入っていくのでしょう。
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合葬墓に入っている方のお名前は、希望されれば、かたわらに立っている墓誌に刻むことができます。(有料)
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続いて、最近できた小型芝生埋蔵施設に移動です。
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白い石板になっているのは、まだ使用されていないところですから、新しい墓所ということが分かります。開けてみたらゲジゲジさんが慌てて出てきました。こちらもビックリしました(@_@。
中の構造の説明が掲示されていました。
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蓋をあけるとすぐカロート(収骨室)になっていて、使用時は、家名等を記す墓石と蓋石が一体となるタイプです。
こちらは都内に5年以上継続しての居住が条件となっています。貸付時使用料は2平米で172万円ということで、見た目は小スペースのお墓と思いますが、実際は2平米を使用するのですね。小平霊園の一般墓所使用料1平米あたり80.6万円とくらべて、割高に感じますが、通常、2平米の一般墓所を建てるには、工事費(石代など含む)が150万円前後かかることを考えると、こちらにはおそらくそこまでかからないでしょうから、コストは高いとはいえないかもしれません。
墓石のタイプは主にこちらの2種類があるようです。
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右のお墓は、花立を墓石内に組み込んでいるタイプ。左は墓石の前にお花を斜めに寝かせるようになっています。左端の底の部分には、水が抜ける穴が開いていて、おそらく腐ることなく、枯れていくようにと考えられているのでしょう。参加者のみなさんは、左のスタイルが目新しかったようです。
芝生墓地ですので、お線香は芝に燃え移る可能性があり、あげられないようになっています。お線香は芝生墓地を見渡せるところに設置された線香台にてあげることになります。
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ここで納骨をする際には、僧侶はどうするのかな?などと考えていましたが、ゴザでも敷いて、正座をして読経するのが墓石のサイズとマッチするような気がしますね。

さて、続いて、噂の樹木墓地・樹林墓地に移動です。
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こちらが樹木墓地。

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そして、こちらが樹林墓地です。
すみません、分かりにくい写真ばかりで…。
どちらも最近できたばかりの墓所で、木が生い茂っているという状態ではなく、まだまばらに植えられています。
樹木墓地・樹林墓地とも都内に3年以上の在住が条件。どちらも遺骨を納骨袋に入れての埋葬になるそうです。樹林墓地は、遺骨を粉状にして(粉骨)埋葬することも可能で、そちらの場合、使用料も安くなります。どちらも職員だけで行われるので、遺族は立ち会えません。
樹林墓地はこの樹林のある小高い丘の下に、共同の埋蔵施設があり、そこに職員が埋蔵(多くの遺骨と一緒に埋葬という形)、遺骨ですと1体13.1万円、粉骨で4.3万円と資料には書いてあります。
一方、樹木墓地は、シンボルとなる樹木の周辺に遺骨を個別に30年間埋蔵し、その後、共同埋蔵になる仕組みだそうです。こちらは1体18.4万円、基本的に粉骨は設定されていないようです。
ガイドをしていただいた渡邉さんも立ち会ったことがないので、職員さんから聞いたお話ということで説明してくださいましたが、都でやっていることなのだから、写真等で情報を開示できないものかと私などは思ってしまいました。多磨霊園の合葬墓でお勤めをすることがありますが、遺骨は職員さんが持って行ってしまい、どのような部屋や棚に安置されるのか、遺族が知る由もないというのは、何か釈然としないものがありますね。
その後、ツアー参加者の縁の人が眠るお墓にお詣りをしたり、壁墓地や芝生墓地を見学したりしまして、2時間にわたる充実したツアーはお開きになりました。
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小平霊園をゆっくり歩くのは今回が初めてでしたが、道が広々としていて、うっそうとした木々もなく、とても開放的で明るい霊園だなと感じました。都営霊園でありながら、小型芝生墓地や合葬墓、樹林葬・樹木葬など、新しい形態のお墓が続々とあらわれ、またニーズもあるようですので、今後も小平霊園を現代のお墓事情の羅針盤の一つとして観察していきたいと思います。
※今回の報告にある使用料等は変更される可能性がありますので、最新・正確な情報は東京都公園協会のホームページや霊園管理事務所にてご確認ください。

葬祭のマナー?

冠婚葬祭のマナーに関する本はたくさんありますが、遺族にかける言葉に触れている本はどれくらいあるのでしょう。
先日、自死遺族の方とお寺でお茶をしていて、葬儀の際に「あなたがお母さんを支えてあげてね」という言葉がどれほど無神経な言葉に思えたかという話になりました。
「だったら、あなたが支えてください」、「私はつらくないと思っているのですか?」という気持ちになり、受け入れられなかったそうです。
こうした話は、他のご遺族からも聞くことがあります。
たとえば、小さいお子さんを亡くした方で、他にきょうだいがいる場合などに、「まだ○○ちゃんがいてくれて良かったね」と言われても、死別後まもない葬儀のタイミングで、わが子を亡くした悲しみが薄まるはずはないですよね。
おそらく、なんと言葉をかけて良いか分からず、何かプラス材料を探し出して言葉掛けすることが遺族にとって良いのだと思ってのことなのでしょうが、一方で、それは、遺族の悲しみを受け止める覚悟がない、直視したくないという気持ちのあらわれとも言えます。
善意のつもりでも、遺族の気持ちを逆撫でするようでは善意とは言えません。
そのご遺族は「余計なことはいわなくていいから、ただ「大変でしたね」でいいんですよ」とおっしゃっていました。
(私ももしかしたら葬儀の席で、無神経な言葉をかけているのではないかと不安になりましたが)
マナーとは相手への配慮といってもよいでしょう。、
服装や香典の包み方などの形だけでなく、どんな言葉をかけたらよいのか、相手の心情への配慮というマナーのもっとも重要な部分を、多くの人が自然におこなえる世の中になりますよう、私も微力ながら精進したいと思います。

5月のライフエンディング研究会のお知らせ

5月のライフエンディング研究会は小平霊園を歩きたいと思います。
最近のお墓事情に合わせるように、小平霊園では樹木葬・樹林葬、合葬墓を設けています。
こうした都立霊園でも目立つ動きを見せる小平霊園を石材店さんのガイドのもと、実際に見学をする予定です。
また、未定ですが、職員さんにもお話をうかがえればと考えております。
日時は5月27日(水)15時からの予定です。
ご関心のある方は本サイトの問い合わせフォームからご連絡ください。

4月のライフエンディング研究会

去る4月28日に武蔵境・武蔵野プレイスでライフエンディング研究会の例会を開きました。
今月は、近藤石材店さんに石材店の実務とそこから見えてくるお墓を取り巻く諸問題についてお話いただきました。
参加者は僧侶、行政書士、牧師、医師、市議、グリーフカウンセラー、記者など13名でしたが、石材店のお仕事について知らないことが多く、目からうろこの2時間でした。
そのあとは近くの中華料理店にてさらに議論を深めました(笑)

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