ご本尊

268974_229887960379238_894248_n蓮宝寺のご本尊は、極楽浄土をつかさどられる阿弥陀如来さまです。
歴史の浅い蓮宝寺ですが、ご本尊はお寺に似合わず古い仏像であることが市の調査で分かりました。
以下に市立郷土館の調査結果を記します。
(お寺の構造上、一般公開をしておりません。あしからずご了承ください。)
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阿弥陀如来立像
品質構造 寄木造 彫眼 漆箔
法量 像高78.6糎 面長8.3糎
この阿弥陀如来像は、現在当寺の本DSCN2539DSCN2528DSCN2538尊として本堂の須弥壇上に安置 されているが、昭和43年に都内の照善寺から迎えられたもので、 それ以前のことについては不明である。本像は最近の修理により、 全身新しい金箔が押され、金色に輝いているが、様式的には かなり古いものをよく伝えている。両手首、両足先は後補であるが、 修理のため概して保存はよい。構造は、頭部を耳の後で前後二材を 矧いでいるが、体軀は不明。像高の割には質量がたいへん軽く、 胎内の内刳りはかなり大きく、彫刻材も薄いようである。一段と 大きな肉髻と小さくきれいに並べられた螺髪、また美しい弧を描く 髪際の線、そしてふっくらとした豊頬にやや伏目がちで慈愛あふれる やさしい顔の表情、しずかな丸い肩の線、大きく胸もとを開き、 豊かな包容力を示した上半身のつくり、さらに腹部から 両股に流れる衣文線など、いずれをとっても平安時代後期の 様式を示している。しかもそのつくりは地方仏師の手になるもの ではなく恐らく京都あたりの中央の仏師による制作であり、 十二世紀を下らぬものである。現在府中市内では、優作で古い仏像 の一つに数えられるが、やはり残念なことに表面の修理は往時 藤原時代の優美さをやや減じている。なお光背、台座は新補。 (府中市郷土館)