葬儀とは

最近、強く思うようになったことがあります。
それは、葬儀とは送別会なんだ、ということ。
家族や友人が長旅に出る時には、送別会を開くし、駅や空港まで見送りに行きますよね。
そうしないと、しっかりお別れをした気がせず、何かモヤモヤしてしまう。
死別のお別れも似たところがあるのかなと感じます。
しっかりお見送りをしたんだ、と自分の心に刻むということ。
つらい、かなしい、残念、、、いろいろな思いがありつつも、しっかり見送るということは、死別という現実を受けれるには必要なことなのでしょう。
しかし、なによりも、送別会なんだと思うポイントは次のことです。
送別会やお見送りの時、皆さんは「いってらっしゃい」と言いますよね。
さて、その後に何か付け足しませんか?

「じゃあ、またね」

みなさん、言いますよね?
お別れはする。
だけど、「またね」、なんです。
どこかで必ず会おうね、と約束をして別れるのです。
お葬式も同じなんだとつくづく思います。
親しい檀家さんに引導を渡す時、まだ若かった頃は「さようなら」の気持ちが強かったのですが、年をとったせいか、「自分もいずれそちら側にいきますね」と思うようになってきました。
これは永遠の別れじゃなくて、私がそちらに行くまでの、しばらくのお別れ。
明日かもしれない、数十年後かもしれないけれど、必ず、私たちも送られる側になるのです。
だから、お葬式も「いってらっしゃい」「じゃあ、またね」なんです。
そんなことを感じてもらえるようなお葬儀をお勤めできる僧侶でありたいと思います。